美しき天然
♫ 空にさえずる 鳥の声 ♪
美しき天然 作詞:武島 羽衣 作曲:田中 穂積
1
空にさえずる 鳥の声
峰より落つる 滝の音
大波小波 とうとうと
響き絶えせぬ 海の音
聞けや人々 面白き
この天然の 音楽を
調べ自在に 弾きたもう
神の御手の 尊しや
2
春は桜の あや衣
秋はもみじの 唐錦
夏は涼しき 月の絹
冬は真白き 雪の布
見よや人々 美しき
この天然の 織物を
手際見事に 織りたもう
神のたくみの 尊しや
3
うす墨ひける 四方の山
紅い匂う 横がすみ
海辺はるかに うち続く
青松白砂の 美しさ
見よや人々 たぐいなき
この天然の うつし絵を
筆も及ばず かきたもう
神の力の 尊しや
4
朝に起る 雲の殿
夕べにかかる 虹の橋
晴れたる空を 見渡せば
青天井に 似たるかな
仰げ人々 珍らしき
この天然の 建築を
かく広大に たてたもう
神のみ業の 尊しや
1900年(明治33年)頃に作られた歌で、もっぱら海軍軍楽隊の内部で演奏されていたものが、その後一般にも広がっていきました。
また「美しき」を「うるわしき」と表記されていることも多いですが、歌詞に「うつくしき この天然の」とあります。この事からも「うつくしき」とそのまま読む方が自然ではないでしょうか。