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蝶々(ちょうちょう)

蝶々(ちょうちょう)

♫ ちょうちょう ちょうちょう なのはにとまれ♪



1947年変更後の歌詞

蝶々(ちょうちょう) 作詞:野村秋足  ドイツ童謡


ちょうちょう ちょうちょう
菜の葉にとまれ
菜の葉に飽いたら 桜にとまれ
桜の花の 花から花へ
とまれよ遊べ 遊べよとまれ  

この歌について

原曲はドイツの古い童謡「Hänschen klein」(訳:「幼いハンス」)とされています。
1875年(明治8年)から1878年(明治11年)まで米国へ留学した教育学者・伊沢修二がブリッジウォーター師範学校でルーサー・メーソン」よりこの曲を教わり、日本へ紹介したのではないかと推測されています。

ルーサー・メーソン
アメリカ合衆国の音楽教育者。明治初期に日本政府が招聘(しょうへい)した外国人の一人であり、1880年から1882年まで文部省音楽取調掛で西洋音楽の指導を行いました。

なお、曲については伊沢が「原曲はスペイン民謡」として紹介したことから、長らく疑義が挟まれることは無く、近年まで多くの文献に「作曲:スペイン民謡」と掲載されていました。

1881年(明治14年)の「小学唱歌集」に「野村秋足」の作詞で掲載されましたが(2番の作詞は蛍の光などで知られる「稲垣千頴」)、1896年(明治29年)に発行された『新編 教育唱歌集』では3・4番も追加されています。
(3・4番は作詞者不明となっています)  

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1947年の改作の経緯

現在、一般に歌われているバージョンは太平洋戦争終結後の1947年(昭和22年)に文部省が発行した「一ねんせいのおんがく」において野村が作詞した原曲を改作すると共に、2番以下を廃止したものです。この改作に関しては「栄ゆる御代に」はGHQが教育現場からの排除を主張していた皇室賛美と取られるフレーズであること、2番以下の廃止は表題の「ちょうちょう」と無関係な鳥や昆虫に関する描写を排除して、曲の主題を明確にしたものとされています。

1896年(明治29年)「新編 教育唱歌集」版


蝶々 蝶々 菜の葉に止れ
菜の葉に飽たら 桜に遊べ
桜の花の 栄ゆる御代に
止れや遊べ 遊べや止れ    (野村秋足:作詞)


おきよ おきよ ねぐらの雀
朝日の光の さしこぬさきに
ねぐらをいでて 梢にとまり
あそべよ雀 うたえよ雀    (稲垣千頴:作詞)


蜻蛉(とんぼ) 蜻蛉 こちきて止まれ

垣根の秋草 いまこそ盛り
さかりの萩に 羽うち休め
止まれや止まれ 休めや休め   (作詞者不明)


燕(つばめ) 燕 飛びこよ燕

古巣を忘れず 今年もここに
かへりし心 なつかし嬉し
とびこよ燕 かへれや燕     (作詞者不明)
                    (参考資料:Wikipedia)


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