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故小妹(こしょうまい)(追憶)

故小妹(こしょうまい) (追憶)

♫ 更けゆく鐘の音 思いうつせみの ♪



故小妹(こしょうまい) 日本語詞:惟一倶楽部  スペイン民謡


更けゆく鐘の音 思いうつせみの
果なき面影 結びもあえず
忽(たちま)ち夢さめて とめし我が手に残しし
ゆかりの色濃き 若紫の
ああ ゆかりの小袖


思い出づれば 十年(ととせ)の昔
はるけき旅路に 我等残しし
幼き姉妹(はらから)の 夢の面影なれや
更けゆく鐘の音 昔を語る
ああ ゆかりの小袖

歌詞の意味は「十年前に亡くなってしまった幼い妹が残していった着物を眺めながら偲んでいると、昔を語るかのように鐘の音が響いてくる」、といったところでしょうか。

日本におけるこの曲はアメリカ合衆国で賛美歌、聖歌として歌われていた「Flee as a bird」に1890年、大和田建樹が「月みれば」の歌詞を付け「明治唱歌 第五集」で発表されたのが最初で、その後1919年には「惟一倶楽部」名義の日本語詞による「故小妹」(こしょうまい)が発表され、この歌は喜波貞子や藤山一郎によって録音も行われています。

1939年(昭和14年)には同じ曲で「古関吉雄」作詞による「追憶」が発表され、第二次世界大戦後の日本では音楽の教科書に掲載されるなど、その美しいメロディーと共に広く知られるようになりました。

追憶の歌詞は著作権保護期間中のため掲載していません。

原曲の「Flee as a bird」は、アメリカ合衆国の詩人で、賛美歌の作詞作曲もしたMary S. B. Shindler が、スペインの旋律をもとに、旧約聖書の詩篇に基づいて作詞した賛美歌とされています。ただし、原曲となった具体的な楽曲は特定されていない、ということです。(参考資料:Wikipedia)
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月みれば   作詞:大和田建樹  スペイン民謡


霞(かすみ)にしづめる 月かげみれば
うきよをはなれて 心は空に
海原しづかに 波もなき夜を
松原ねむりて 風もなき夜半を
ああ めでてやそらに


布ひく雲間に かかれるみれば
この世のにごりも 忘れて空に
萩ちる野末に しかのなく夜を
花咲く芦辺(あしべ)に かりのくる夜半を
ああ めでてやそらに 


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