こきりこ節
♫ こきりこの丈は 七寸五分じゃ ♪
こきりこ節 日本古謡
こきりこの丈は 七寸五分じゃ
長いは袖の かなかいじゃ
窓のサンサは デデレコデン
はれのサンサも デデレコデン
向いの山を かづことすれば
荷縄が切れて かづかれん
窓のサンサは デデレコデン
ハレのサンサも デデレコデン
向いの山に 鳴くひよどりは
鳴いては下がり 鳴いては上がり
朝草刈りの 眼をさます
朝草刈りの 眼をさます
踊りたか踊れ 泣く子をいくせ
ササラは窓の もとにある
烏帽子 狩衣 ぬぎすてて
今は越路の 杣刀(そまがたな)
向いの山に 光るもん何じゃ
星か蛍か 黄金の虫か
今来る嫁の 松明ならば
差し上げてともしゃれ 優男
歌い出しの「こきりこの丈は」の「丈」を「竹」としてあることが多いですが、この場合は「こきりこの材質」ではなくて、その後の歌詞からも「その長さ」を表現していると思われます。したがってここでは「竹」ではなくて長さを表す「丈」が正しいと理解しています。
「こきりこ節」は日本に伝わる古謡の中で最も古いものの一つとされ、富山県五箇山地方、上梨の神社である白山宮に伝えられてきたものです。昭和初期にはほとんど歌われなくなっていましたが、1930年(昭和5年)に詩人・作詞家の西条八十が古い文献に書いてあるという「こきりこ」を訪ねて五箇山へ行ったことがきっかけとなり、地元でも五箇山に残る老人から聞き取り調査をしました。そこで「山崎しい」というおばあさんが幼少時に村のおじいさんから「コッケラコ」という歌を教えてもらったということが分かり、これをもとに楽譜にして現在の「こきりこ節」がよみがえったということです。
参考資料:教育芸術社・郷土の音楽 https://www.kyogei.co.jp/shirabe/kyoudo/text18.html 他
1953年(昭和28年)には無形文化財に選定され、当時の文部省が1969年(昭和44年)に中学校の音楽教材としたことによって全国的に広く知られるようになりました。