雁(雁がわたる)
♫ 雁がわたる 鳴いてわたる ♪
雁(雁がわたる) 文部省唱歌
1
雁がわたる 鳴いてわたる
鳴くはなげきか 喜か
月のさやかな 秋の夜に
棹になり かぎになり
わたる雁 おもしろや
2
雁がおりる 連れておりる
連は親子か 友だちか
霜の真白な 秋の田に
睦ましく 連れだちて
おりる雁 おもしろや
1912年(明治45年)「尋常小学唱歌(第三学年用)」に「雁」として掲載されましたが、1932年(昭和7年)の「新訂尋常小学唱歌(第三学年用)」では「雁がわたる」に変更されています。(原曲はもう少しゆっくりなようです)
ところで「文部省唱歌」とはよく聞くでしょうが、どういうことでしょうか、そしてなぜ作詞作曲者が表示されないことが多いのでしょう。
それはこういうことなのです。
(以下 参考資料:Wikipedia 文部省唱歌)
文部省唱歌とは、文部省(現在の文部科学省)が編纂し、明治から昭和にかけて、{1910年(明治43年)の「尋常小学読本唱歌」から1944年(昭和19年)の「高等科音楽一」まで}教科書に掲載された楽曲のことで、1900年代までの翻訳唱歌は「文部省唱歌」に含まれません。(文部省が定めた正式名称ではありません。)
「尋常小学読本唱歌」およびこれを学年別に振り分けた「尋常小学唱歌」に収録された唱歌(全120曲)は、全て日本人による新作で、当時の文部省は作詞者・作曲者に高額な報酬を払い、名は一切出さず、また作者本人も口外しない、という契約を交わしたのだそうです。
検定教科書の時代になって著作者を明らかにしなければならなくなりました。
しかしその作業が学問的に行われたことはないために著作者不明が多く、また著作者が判明しても根拠が弱いために、個々の作詞・作曲者を出さず「文部省唱歌」とだけ表記している教科書・歌集もあるのが現状のようです。
(以上 参考資料:Wikipedia 文部省唱歌)
その年代には日本にとって不幸な時代もありました。
それを反映した唱歌もありますが、中にはいまだに歌い継がれている歌もあります。
良い歌はいつの時代にも受け入れられる、これからもそういう良い歌が歌い継がれる時代が続いて欲しいものです。