一寸法師(いっすんぼうし)
♫ 指に足りない 一寸法師 ♪
一寸法師 作詞:巌谷 小波 作曲:田村 虎蔵
1
指に足りない 一寸法師
小さい体に 大きな望み
お椀の舟に 箸の櫂
京へはるばる 上り行く
2
京は三条の 大臣殿に
抱えられたる 一寸法師
法師法師と お気に入り
姫のお伴で 清水へ
3
さても帰りの 清水坂に
鬼が一匹 現われ出でて
食ってかかれば その口へ
法師たちまち 躍り込む
4
針の太刀をば 逆手に持って
ちくりちくりと 腹中突けば
鬼は法師を はき出して
一生懸命 逃げて行く
5
鬼が忘れた 打出の小槌
打てば不思議や 一寸法師
一打ち毎に 背が伸びて
今は立派な 大男
1905年(明治38年)「尋常小学唱歌(二の中)」に掲載されました。
日本のお伽話で、今に伝わる一般的な物語は、「御伽草子」に掲載されているものが元となっています。
一寸法師のお伽話
昔、昔あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。
子供のない二人は毎日子供が授かるよう神様に祈っていたところ、驚いたことに子供を授かることができました。
しかし、産まれた子供はたいへんに小さく、一寸にも満たない男の子でした。
一寸法師と名付けられたその子は、何年たっても大きくなりません。
しかしある日のこと、一寸法師は武士になるために京へ行きたいと言い、お爺さん、お婆さんに頼んで、お椀の舟と箸の櫂、それに針の刀をもらって川から旅に出たのです。
やがて京に着いた一寸法師は、大きな立派な家で働かせてもらうことができました。
その家の娘のお伴で宮参りの旅をしている時に、鬼が現われて娘をさらおうとします。
一寸法師が娘を守ろうとしますが、鬼は一寸法師を飲み込んでしまいます。
飲み込まれた一寸法師は鬼の腹の中を、所かまわずに針の刀で突き刺しました。
鬼はその痛みにとうとう降参して、一寸法師を吐き出すと山へ逃げてしまったのです。
その時に鬼が落としていった「打出の小槌」を振ると、不思議なことに一寸法師の体が大きくなったのです。
そして立派な若者になった一寸法師はその娘と結婚して、望みどおりに立派な武士となって幸せに暮らしたということです。