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小諸なる古城のほとり

小諸なる古城のほとり

♫ 小諸なる 古城のほとり ♪



小諸なる古城のほとり  作詞:島崎 藤村  作曲:弘田 龍太郎

小諸なる古城のほとり
雲白く遊子(ゆうし)悲しむ
緑なす蘩蔞(はこべ)は萌えず
若草も籍(し)くによしなし
しろがねの衾(ふすま)の岡辺
日に溶けて淡雪流る

あたたかき光はあれど
野に満つる香(かおり)も知らず
浅くのみ春は霞みて
麦の色わずかに青し
旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ

暮行けば浅間も見えず
歌哀し佐久の草笛 歌哀し
千曲川いざよう波の
岸近き宿にのぼりつ
濁(にご)り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰(なぐさ)む

遊子 ⇒ 旅人のこと
籍く ⇒ 下に敷く・敷物。
若草も籍くによしなし ⇒ 若草が敷くほどもない、腰を下ろすほど伸びていない。
草枕 ⇒ (旅先で草で編んだ枕のことから)旅先でのわびしい思いを意味する。

島崎藤村の詩に弘田龍太郎が1925年(大正14年)に曲を付けました。

藤村は英語教師として1899年(明治32年)から6年ほど小諸で暮らしていましたが、その間の1890年(藤村29歳)の時に作った詩とされています。


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