紅 葉(もみじ)
♫ 秋の夕日に 照る山紅葉 ♪
紅葉(もみじ) 作詞 : 高野 辰之 作曲 : 岡野 貞一
1
秋の夕日に 照る山紅葉
濃いも薄いも 数ある中に
松をいろどる 楓や蔦は
山のふもとの 裾模様
2
谷の流れに 散り浮く紅葉
波にゆられて 離れて寄って
赤や黄色の 色様々に
水の上にも 織る錦
歌の説明
1911年(明治44年)に「尋常小学唱歌(二)」で発表された唱歌です。
2007年(平成19年)には、日本の歌百選に選ばれています。
高野 辰之・岡野 貞一の2人による作詞・作曲は他にも「故郷(ふるさと)」、「春が来た」、「春の小川」、「朧月夜(おぼろづきよ)」など多数の名曲を残しています。
山紅葉(ヤマモミジ)
1番の出だしで、「秋の夕日に 照る山紅葉」とありますが、これは「秋の夕日にヤマモミジが照らされている」ということであって、「秋の夕日に照らされている、山にあるモミジ」ではありません。ここの解釈に引っかかったので多数調べてみましたが、間違いないようです。
ヤマモミジ(カエデ科 カエデ属)
日本固有種のモミジです。北海道と青森県から鳥取県にかけての日本海側で、おもに山地の谷間や斜面に分布しています。
歌詞の意味
秋晴れの夕日に、渓谷の山紅葉(ヤマモミジ)が照らし出されるように輝いている。その中には赤や黄色、ピンクやまだ緑色っぽいものなど、それぞれにこの美しい秋を楽しみながら参加しているようである。その中にあって緑色の松もひときわ美しい。
その松の緑を引き立てている楓や蔦は、着物の裾模様のように山を彩っている。
山あいの渓谷の流れに落葉となってしまった色とりどりの紅葉が、波に揺られて楽しそうに、しかしちょっと寂しそうに流れていく。その色模様は水に描かれた織物のように美しく、いつまでも見ていて飽きない。自然の美しさはこれほどのものなのだ、言葉では言い尽くせない。
四季を感じる 日本のうた~唱歌・抒情歌・こころの歌(四季折々の効果音入り)