ローレライ
♪ なじかは知らねど 心わびて ♪
ローレライ 訳詞:近藤 朔風 作曲:フリードリヒ・ジルヒャー
1
なじかは知らねど 心わびて
昔の伝説(つたえ)は そぞろ身にしむ
寥(さび)しく暮れゆく ラインの流れ
入日に山々 あかく映ゆる
2
美(うるわ)し少女(おとめ)の 巖頭(いわお)に立ちて
黄金(こがね)の櫛とり 髪のみだれを
ときつつ口ずさむ 歌の声の
神怪(くす)しき魔力(ちから)に 魂(たま)もまよう
3
漕ぎゆく舟びと 歌に憧れ
岩根も見やらず 仰げばやがて
浪間に沈むる ひとも舟も
神怪しき魔歌(まがうた) 謡(うた)うローレライ
なじか ⇒ なぜか
映ゆる ⇒ 他のものと調和して、いっそう鮮やかに見える。引き立って見える。
(出典元:古文辞書 - Weblio古語辞典古語辞典)
神怪き(くすしき) ⇒ あやしき
そぞろ ⇒ 心がそちらに動いてゆくようす。気の落ち着かないようす。
巌頭(いわお) ⇒ 岩の上、岩の頂上
ドイツのライン川に伝わる「ローレライ伝説」の歌で、そのメロディーの美しさから、日本でも有名な曲です。
ドイツの有名な詩人「Heinrich Heine」(ハインリヒ・ハイネ)のローレライ伝説を題材にした詩に、ドイツの作曲家「Friedrich Silcher」(フリードリヒ・ジルヒャー)が曲を付けました。
日本では、1909年(明治42年)発表の「女声唱歌」に掲載された近藤朔風の訳詞が広く知られています。