田舎の冬
♫ ましろにおく霜 峰の雪 ♪
田舎の冬 作詞:不詳 作曲:島崎赤太郎
1
ましろにおく霜 峰の雪
しずかにさめくる 村の朝
ほういほい ほういほい むら雀
かり田のかかしに ひの光
2
ひなたにつづるは 古ごろも
軒にはたるひの とくる音
ほういほい ほういほい かん烏
門辺の枝には 柿二つ
3
いろりにほだたく 夕けむり
枯野に風立ち 日のくるる
ほういほい ほういほい 渡り鳥
鎮守の林に 宿かさん
むら雀 ⇒ 群れている雀。
かり田 ⇒ 稲を刈り取ったあとの田んぼ。
ひなたにつづるは 古ごろも ⇒ 日向に古い着物をぶら下げておくようす。
たるひ ⇒ 垂氷と書いて、雨や雪などの水滴が凍って垂れ下がった「つらら」のこと。
とくる ⇒融くると書く。融けること。
かん烏 ⇒ 寒烏のことで、冬の烏のこと。
ほだ ⇒ 榾(ほだ・ほた)と書き、囲炉裏や焚火などに使う木の枝などのこと。
1931年(昭和6年)「新尋常小学唱歌(五)」に掲載されました。
山の上は雪で白く染まり、柿の木に残った実が朝日に照らされて輝いている。
稲を刈り取った後の田んぼには、雀が群がり落穂をついばんでいる。
そんなのどかな冬の田舎の風景が、もの哀しいメロディーに乗って伝わってきます。