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秋夜懐友 (ほととぎす)

秋夜懐友 (ほととぎす)

♫ 手慣れの小琴 共にかき撫で ♪



秋夜懐友  作詞:犬童 球渓  作曲:William T. Wrighton

1 
手慣(たなれ)れの小琴 共にかき撫で
澄み行く月を めでしも今は
夢と過ぎつつ 友また遠く
吾れのみひとり 淋しき窓に
変らぬ月を 眺めぞあかす
とわたる雁よ 思いを運べ

2 
端居(はしい)の夕べ 手をとりかわし
行く末までも 今宵のままと
誓いしものを その友今は
海山遠き かなたの里に
なきゆく雁を いかにか聞ける
み空の月よ 俤(おもかげ)うつせ

原曲はイギリスの 劇作家、作曲家、作詞家であった、 Joseph Edwards Carpenter
(1813-1885)の詞にWilliam Thomas Wrighton(1816-1880)が曲を付けたものです。原曲の題名は「Her bright smile haunts me still」で、去ってしまった恋人の輝く瞳を忘れることができない、といった歌詞です。

この歌は1909年(明治42年)に近藤朔風の「ほととぎす」として「女声唱歌」に掲載されたのが最初で、この「秋夜懐友」は1914年(大正3年)の発表です。これらの歌詞は原詩とは違って友を懐かしむ内容です。他にも「消えぬおもかげ(作詞:志村建世)」、「輝くひとみ(訳詞:龍田和夫)」などの歌詞が付けられています。

 

「ほととぎす」を記しておきます。

ほととぎす  作詞:近藤朔風 

1 
おぐらき夜半を 独りゆけば
雲よりしばし 月はもれて
ひと声いずこ 鳴くほととぎす
見かえる瞬間に 姿消えぬ
夢かとばかり 尚もゆけば
またも行手に 暗はおりぬ

2 
別れし友よ 今はいずこ
今宵の月に 君を想えば
心は虚ろ 思い出消えず
悩める胸に 返るは彼の日
星影たより ともに語りし
昔の言葉 今ぞ偲ぶ


わたしの愛唱歌~心懐かしい故郷の歌から友と歌った青春の歌まで



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