蛍(ほたる)
♫ ほたるのやどは かわばたやなぎ ♪
蛍(ほたる) 作詞:井上 赳 作曲:下総 皖一
1
蛍のやどは 川ばた楊(やなぎ)
楊おぼろに 夕やみ寄せて
川の目高が 夢見る頃は
ほ ほ ほたるが 灯をともす
2
川風そよぐ 楊もそよぐ
そよぐ楊に 蛍がゆれて
山の三日月 隠れる頃は
ほ ほ ほたるが 飛んで出る
3
川原のおもは 五月(さつき)の闇夜
かなたこなたに 友よび集い
むれて蛍の 大まり小まり
ほ ほ ほたるが 飛んで行く
1932年(昭和7年)に「新訂尋常小学唱歌(3)」で発表された文部省唱歌です。
ここで使われている「楊(やなぎ)」とは「ネコヤナギ」「カワヤナギ」などのしなだれないヤナギのことで、一般によく使われる「柳」は、「シダレヤナギ」のことをいいます。
ネコヤナギ(猫柳) 名前の由来は花が猫のしっぽのように見える事によります。
シダレヤナギ(枝垂柳) 枝の垂れている柳です。
3番の「川原のおも」とは、川原の表面、言うなれば「川原全体が」ということで良いと思います。
私が子供の頃を過ごしたのは、田舎の小さな村でした。蛍は時期になると家の庭や、すぐ前の田んぼにたくさん飛んでいました。
その田舎でも最近は蛍が少なくなり、あまり見られなくなったということです。
人間が多くなって蛍の棲める環境が少なくなっても、また逆に過疎になって人が住まなくなり、人の手が入らなくなった環境(本来の自然)でも蛍には棲みにくいようです。
適当に人の手の入った「里山(さとやま)」のような環境が一番なのでしょう。
今は各地で蛍を増やそうという取り組みが行われているようです、皆さんも機会があったら是非に大自然の中での蛍を見てください。イルミネーションとは違った美しさに感動しますよ。
わたしの愛唱歌~心懐かしい故郷の歌から友と歌った青春の歌まで